忍者ブログ
とびうお

2024.11.22 Fri 「 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008.06.14 Sat 「 当たり前の優しさ結界師
『当たり前の優しさ』
良守と愉快な仲間たち

-----



「なんかさ、最近人多いよな」
「ん?多いって・・・?」

良守の問いかけに市ヶ谷は首をかしげた。

「ほら・・・あの山の上にある寺とか、近くの墓地とかさ」
「あ~墨村。お前って本当に何にも知らないんだな」

自前の手帳をぱたんと閉じて、田端は笑った。

「彼岸なんだよ。確か一昨日からな」
「彼岸ね、なるほど・・・」

今先程すれ違った親子連れを見返る。
父親は子どもの手を、母親は花を抱えていた。

「彼岸ってのは、その家の先祖が帰ってくる期間の事でな。それを迎えるためにそれぞれの墓に行ってお供えとかするんだよ」
「っるせー!それぐらい知ってる!!」

眼鏡の端を上げて語る市ヶ谷の視界に、良守の怒った顔が大きく入った。




「くそっ。何だよあいつら~俺はそこまで馬鹿じゃねぇっつうの」

二人と別れてから、良守はぶつぶつ言いながら家へ向かった。
握りこぶしを高々と上げて、空を見る。
夕方が近い。
空はオレンジ色に染まり、情緒溢れる雲が泳いでる。

「先祖・・・ね」

名前しか知らない先祖。

400年続く割に先祖、いや、開祖・間時守の詳細は何一つ残っていない。
彼の墓すらどこにあるのかも分かっていない。
ただその力の使い方と心得だけを残し、今に至る。

「・・・誰も迎えに来なくて、開祖は寂しくないのかな」

ぽつりとこぼして再び空を見上げる。

「もし迎えに行って会えたりしたら、烏森の事もっと聞きたいな・・・」


一刻も早く烏森を封印してしまいたい。
そうしたら時音を始め、もう誰も傷つかない。


学校もきっと安全な場所になるだろう。

「よし。今日の夜学校行ったら、高い所からでも拝んでやろう!あそこで開祖が戦ってたのは間違いないだろうし」

にっと表情を明るくすると、一直線に家へと走って行った。



彼の去った後にざわりと小さな風が通り抜けた。



+++
お彼岸っぽく。
墓参りに行った帰りにふと思いついたもの。
情景描写は私が見たそのままを入れてます。
2007.9.22
PR
COMMENTS
SUBJECT
NAME
EMAIL
URL
編集用パスワード
COMMENTVodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

TRACKBACKS
トラックバックURL
カウンターとweb拍手
キリ番(00やゾロ目)に当たりましたら、番号明記の上お気軽にリクどうぞw
コメがありましたらこちらへ。現在お礼は短文3種です。
プロフィール
HN:
なつと
HP:
性別:
女性
自己紹介:
<サイトの説明>
結界師とフェアリー・テイルが好きなヤツが運営してるファンサイトです!!
BL表現とか出てくるんで、苦手な方は回れ右でお願いします。

サイトにリンクして下さる方はすみませんが、indexにて登録をお願いしますv


<管理人について>
大阪の北の方に住んでます。
ヴァイオリンが好きです。
ショパンとドヴォルザークに恋してます。
ラテンな曲が大好きです。
格好いい少年たちが好きです(必須)
カテゴリー
リンク
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[11/13 DSLR-A850]
[05/03 名無しさん]
[11/01 在り音]
[09/26 名無しさん]
[09/26 名無しさん]
ブログ内検索