『本心』
正守←←←良守
…みたいな
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もう幾度と無く惑わされてきた。
俺の何十歩先を歩く兄貴は、どうしようもなく羨ましかった。
知識も能力も。
目を覆ってしまって、全てを認識したくないほどだった。
ど う し て こ い つ じ ゃ な か っ た ん だ 。
こんな事は口が裂けても決して言えない。
でもこれは当人が一番思っている事だと思う。
どうして証が自分ではなく、7歳も離れた幼く弱い弟だったのだろうと。
印が出た俺を恨み、嫉み。
繰り返し繰り返し、自分を追い込んでしまったんだろう。
その感情はきっと今も―、
だから、俺はこんな気持ちを持ってはいけない。
普通では有り得ないこの感情を。
俺はずっと心の中に置いておくんだ。
悟られないように、
気付かれないように感情を抑えて。
こんな事をするなんて、本当に馬鹿だと思う。
いっそ言ってしまえば楽になるのに。
でも俺は言わない。
言えばまた兄貴を傷つけてしまうだろうから。
でも本当は、
俺自身が傷つきたくないからだろうか…?
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若干良守病んでるし…
シリアス系はどうも苦手です;
2007.10.26
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