恋の物語より
『笑顔』
火黒×良守
お題配布先+++SUNSET(閉鎖済)
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あ。
あの薄笑いじゃない。
優しい、優しい。
本当の人間がする、優しい微笑み。
「ん~?どうしたの、良守?」
火黒はテーブル越しに俺を見て、不思議そうな顔をする。
「さっきさ、あんた笑ってたろ」
「そりゃ俺だって笑うよ」
少し不満そうに言って、また微笑む。
俺はちょっと嬉しくなって、火黒の顔をぺたぺたと触った。
「ううん、あんたがしたのは違う笑い方。」
「違う笑い方?」
あはは、眉間にシワが増えた。
あーあ・・・。折角の格好いい顔が台無しじゃん。
一人でくすくす笑う俺に痺れを切らしたのか、机に手を突いて乗り出してきた。
「・・・言わないと、いたずらしちゃうよ?」
あ゛!そっちの笑い方じゃないのに・・・。
すると唇に少しひんやりとした柔らかい感触があった。
「・・・って何だよ。勝手にキスすんな・・・」
「言っちゃうとやらせてくれないでしょ、良守は」
「ばーか。そんなことねぇよ」
「じゃあ、いい加減答えを教えてよ」
仕方ないと俺は呟いて、目の前にあった火黒のシャツを引き寄せて、耳元でぽつっと言った。
「 」
一瞬きょとんとした火黒は、珍しく赤かった様な気がした。
もっと笑ってよ。
もっと見せてよ。
あんたの優しい笑顔を。
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久しぶりにアップしたら良守が可愛くなった…?
2008.9.3
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